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従業員への対応

Responding to employees.
質問者

法人破産をする場合、これまで働いてくれた従業員はどうなるのでしょうか・・・。

経営者の方々が法人破産の申立てを考えられる場合、大きな気がかりの1つが、これまで一緒に働いてきてくれた会社の従業員の方々のことだと思います。

回答者

最終的に全従業員が解雇されることになります

多くの場合、会社の事業を停止する際に全ての従業員の方々を即時解雇(事前に解雇予告なく)することになります。例外的に、破産申立ての準備などのために、一部の従業員の方を暫く雇用し続ける場合もありますが、最終的には、全ての従業員の方々を解雇することになってしまいます。。。

回答者

給与や退職金について

経営者の方としては、「何よりもまず、会社の財産から全従業員へ給料や退職金を支払いたい」というお気持ちがあると思います。 前述した通り、即時解雇の場合、解雇予告手当(30日前に予告をせず解雇する場合には、30日分以上の平均賃金を支払う必要がある。労基法20条1項)が発生します。
ただ、破産を申立てるためには、どうしても破産申立費用(裁判所への予納金など)を確保しなければなりません。そのため、破産申立費用を確保した上で、なお会社のお金に余力がある場合にのみ、従業員の方々へ①解雇予告手当と②給料、③退職金を支払うことができます。

回答者

しかし、法人破産を申立てる場合には、会社のお金に余裕があることは殆どなく、未払いとなってしまうケースが多いです。
このような場合、破産申立てを行うことで ① ② ③ は「労働債権」として扱われ、破産手続きの中で、一般の債権よりも優先的に配当を受けることができるようになっています。
また、破産申立てを行うことで次のような国の制度が利用できます。

回答者

「未払賃金立替払制度」について

「未払賃金立替払制度」とは、その未払賃金の8割(但し、退職時の年齢に応じた上限額があります)を政府が事業主に代わって立替払いする制度のことです。 この制度によって立替払いを受けることが出来る方は、次の要件に該当する方です。

回答者
  1. 労災保険の適用事業で1年以上事業活動を行っていた事業主(法人、個人は問いません)に雇用され、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者(労基法第9条の労働者に限る)であった者。
  2. 裁判所への破産手続開始等の申立日(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署長に対する事実上の倒産の認定申請日(事実上の倒産の場合)の6ヵ月前の日から2年間に当該企業を退職した者。
  3. 未払賃金額等について、破産管財人等の証明(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署長の確認(事実上の倒産の場合)を受けた者。

※即時解雇による、解雇予告手当( 1 )は立替払いの対象とはなりません。

この「未払賃金立替払制度」を利用するために注意しなければならないのは、

  • 従業員の方々の退職後、6ヵ月以内に裁判所へ破産手続の申立てが行われているか、労働基準監督署長へ事実上の倒産であることの認定申請が行われている必要がある。
  • 立替払いを受けることのできる未払い賃金の額は、賃金台帳や就業規則などによって確認できるものに限る。

とされている点です。
つまり、従業員の方々がスムーズに立替払いを受けるためにも、賃金台帳や就業規則などの会社の資料を早期にきちんと確保し、なるべく早期に破産申立てができるよう準備を進めていく必要があります。
このようなスピードが求められる局面で、我々は大きな力を発揮します。安心してお任せください。

回答者

その他、従業員の為にすべきこと

  1. 従業員の方々が雇用保険(失業保険)を受給するために離職証明書等を作成して公共職業安定所に提出する。
  2. 社会保険の関係で資格喪失届の提出をする。
  3. 従業員の方々が確定申告をする場合や再就職先で年末調整をするために、源泉徴収票を交付する。

などがあります。

この他、解雇の際に、従業員の方々に破産に至る経緯や、今後の手続きの流れ(これまでにご説明した「未払賃金立替制度」のことなども含まれます)を説明する必要もあります。どのように説明をすればいいかなど、我々がしっかりサポート致します。

回答者

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