「会社の代表者が破産申立てをするだけで、会社は破産申立てをしなくてもよいのか?!」②

(先日アップした「会社の代表者が破産申立てをするだけで、会社は破産申立てをしなくてもよいのか?!」①の続きです。)
●どうしても法人の破産申立てまで難しい場合
どうしても会社の資産も一切無く、会社の破産申立てに必要な予納金(裁判所に納めるお金)を捻出できない場合等に、やむを得ず、会社について破産申立てをしない場合もみられます。
もっとも、この場合には、代表者個人の破産事件は、管財事件とされることが一般的です。
また、代表者個人の破産管財人は、代表者個人の財産状況や破産に至る経緯を調査するために、会社の財産状況・経営状況等まで調査しなければなりませんので、その分、代表者個人の破産事件における予納金額が増額される場合もあります。
さらに、福岡地裁本庁では、会社の破産申立てを行わずに、会社の代表者が破産を申立てる場合には、会社に資産がないことの疎明資料(決算報告書、決算報告書に粉飾がある場合や作成していない場合は総勘定元帳、現金出納帳、通帳、代表者の陳述書等これに代わるもの)を添付し、会社の破産を申立てない事情を説明することが求められています。
●まとめ
以上のように、会社の経営破綻によって代表者個人の破産を申立てる場合には、できる限り、同時に会社の破産も申立てるべきといえます。
どうしても会社の破産申立てをするための費用が足りない等の場合でも、まずは、会社と代表者個人を合わせて申立てることで裁判所に予納金面で配慮してもらえないか等申立代理人を通じて裁判所に問い合わせてみるべきでしょう。
そして、裁判所の回答を踏まえて、具体的な事案の中で、申立代理人となる弁護士と相談しながら、最終的に会社の破産を申立てるか否かを決めていくことが重要です。
以上
併せて 会社・法人破産の解説 ページもお役立て下さい。