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会社が破産した場合に、これまでに滞納していた税金はどうなるか?

 福岡・北九州の会社破産・法人破産を手掛ける野上法律事務所所属の弁護士の岩岡です。

 破産を考えられている会社の中には、資金繰りに窮する中で、法人税や源泉所得税等を滞納されている会社も多く、相談に来られた経営者の方から「会社が破産した場合に、会社がこれまでに滞納していた税金はどうなるのでしょうか」といった質問を受けることがよくあります。

 そこで、今回は、「会社が破産した場合に、これまでに滞納していた税金(租税債権)はどうなるか?」について、ご説明したいと思います。

 

●これまでに滞納していた税金(租税債権)の破産手続きにおける扱い

 これまでに滞納していた税金(租税債権)は、破産手続きの中で、財団債権又は優先的破産債権として扱われます(ただし、加算税は異なります)。

  つまり、これまでに滞納していた税金(租税債権)は、その破産手続きの中で、財団債権として、破産債権よりも優先的に弁済を受けることができたり、破産債権の中でも優先的破産債権として配当を受けることができます。

 

●破産手続終了後、これまでに滞納していた税金(租税債権)が残った場合

 ただ、会社に殆ど財産が残っていないケースなど、破産手続きにおいて、財団債権優先的破産債権への弁済や配当にまわせるほどの破産財団が形成できない場合も多々あります。

 このような場合、これまで滞納していた税金(租税債権)の全額へ弁済・配当がなされず、これまで滞納していた税金(租税債権)の全部・一部残ってしまうことになります。

 このように、これまでに滞納していた税金(租税債権)が全部・一部残ってしまった場合、個人破産の場合には、破産手続き終了後も、租税債権は非免責債権(破産しても免除が受けられない債権)なので、破産者個人が残りを支払っていくことになります。

 

 これに対して、会社の破産の場合には、そもそも破産開始の事実が会社の解散事由となっており、破産手続きが終了すれば、原則として、破産会社の法人格自体が消滅することになりますので、これまでに滞納していた税金(租税債権)は消滅することになります。したがって、会社の代表者が、破産会社の滞納していた税金の残りを支払わなければならない、ということはありません※。

 ※ ただし、かなり稀なケースですが、例外的に、会社の財産を別の個人や会社が持っているような場合や税金保証が入っているような場合等には、その財産や保証人となっている代表者等に対して会社の滞納していた税金(租税債権)が課されることになりますのでご注意下さい。

 

 

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